おばあさんのちまき
はろーわーるど
子どもの日の節句になると、いつも当たり前のように出てくる「ちまき」
琵琶湖沿岸の水辺にある葦に、丸宮穀粉のうるち米をこねて餅にしたものを包み、蒸したものです。
5月になると、私は幼少期から「ちまき」を食べていました。
滋賀県でも葦のちまきがあるのはこの地域だけ?
全国的に餅を葉っぱに包む文化はたくさんありますが、
葦の若葉を使ったちまきは滋賀県でもこの近辺にしか残っていない文化だということが調べると分かりました。
唄によく使われた葦の偉大さ
また琵琶湖の葦は万葉集に次のように詠われています。
「葦辺には鶴(たづ)がね鳴きて湖風(みなとかぜ)寒く吹くらむ津乎(つお)の岬はも」 若湯座王(わかゆえのおおきみ)
雄大な淡海(琵琶湖の古い呼び方)の葦は、古くから滋賀県の人に馴染みの深いものでした。
アシの植物名について、牧野富太郎博士は「日本名のアシは撮(ヨシ)が変化したものだろう。
これをヨシというのは、アシが「悪し」に通ずるのを嫌ったからである」と述べています。
このように言霊的にも日本古来からあることがわかります。
自然環境における働き
1.葦によって、水の流れを弱くし、水の汚れを沈めるはたらき。
2.葦の水中の茎につく微生物や群落の水中の微生物によって水の汚れを分解するはたらき。
3.葦が水中の窒素、リンを養分として吸い取るはたらき。
周辺のものをうまく利用してきた昔の人々。
あるものを活かし、工夫してきた心構えは、現代の焦る我々に本質的な捉え方を教えてくれているのかもしれません。